無意識からの招待――カウンセリングで変わっていった夢と身体のサイン――

カウンセリングで昔の夢の話をし始めた頃、とても不思議で印象的な夢を見た。

私は暗い洞窟にいて、壁のあちこちから何かが出てこようとしていた。

必死で押し戻そうとするけれど、その力はとても強い。

だから私はあきらめて、逆に思い切って引っ張り出してみた。

すると、壁の中からずるりと出てきたのは……まさかの謎の宇宙人!

そのあまりの奇妙さに、思わず笑ってしまった。

「うはぁ(笑)!なはは〜!」

自分の笑い声で目が覚めたのは、はじめてだった。

しばらく笑いが止まらなくて、涙が出てくるほどだった。

あとから思うと、その夢はカウンセリングを象徴していたのかもしれない。

洞窟は、私の中の無意識。

その無意識に足を踏み入れて、何かを引っ張り出そうとすること。

最初は怖くて必死に抑え込もうとしていたものが、いざ出してみると、意外とおかしなもので、思わず笑ってしまった。

それは、カウンセリングに対する私の希望でもあり、自分自身への信頼の芽生えでもあったのかもしれない。

それは、歯がボロボロに砕けていく夢で、10 代のころから繰り返し見てきた夢でもある。

夢には、もうひとつ忘れられないものがある。

唐突に始まるその夢では、気づくと自分の口が目に見えない力でググっと閉じられていっている。

その圧力に抗えず、前歯から奥歯まで、すべてが砕けてしまう、とても怖い夢だった。

現実の私は歯ぎしりがひどく、歯医者さんからマウスピースをすすめられたこともあった。

そして、高額な被せ物が何度も取れてしまって、つけ直すのが恒例になっていた。

でも、カウンセリングを受けるようになってから、その歯ぎしりがだんだん減っていった。

歯医者に行く頻度も、大きく減った。

思えば私は、毎日、歯を食いしばるようにして生きていたのかもしれない。

朝起きると、なんだか顎が痛かったりするのは日常だった。

それは単に噛み合わせの問題、身体の不調のひとつだと思って、ずっとやり過ごしてきたけれど、

自分でも気づかないうちに、抑え込んでいた想いや、飲み込んでいた言葉がたくさんあったのだと思う。

歯ぎしりは、心の奥から湧き上がる、あふれ出しそうな感情を、食いしばって抑え込もうとしていた、

強い抑圧という形の防衛反応で、その圧力は私自身を、少しずつ削り、壊していっていたのかもしれない。

でも、「自分の気持ちを話していい時間」ができたことで、その夢を見ることも、いつの間にかなくなっていった。

それから数年たったある日、またあの歯の夢を見た。でもそのときの私は、夢の中で自分の口を、はじめて自力で開けることができたのだ。

歯は砕けなかった。そして、私は夢から覚めた。

静かな驚きとともに目を開けたその朝のことを、今でも覚えている。

現実の私も、もう言葉を飲み込むだけの私ではなくなっていた。

夢は、無意識が私に見せてくれたひとつのサインだったのかもしれない。

カウンセリングとは、劇的に何かが変わる魔法ではない。

でも、確かにゆっくりと、私の中の、硬く固まった何かを溶かしてくれる時間だった。

あれからもう、あの歯が砕ける夢は一度も見ていない。

そして、もしまたあの夢を見たとしても、今の私ならきっと、口を開けることができると信じている。

あなたにも、繰り返し見る夢や、妙に印象に残る夢はありませんか?

もしかしたら、それはあなた自身の心からの、ささやかなサインなのかもしれません。

無意識からの招待に、ほんの少し耳を傾けてみると、自分でも驚くような発見があるかもしれません。

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